mailmagazine非常識でいること、それがスポーツの最先端

「今日の常識は明日の非常識」

こんにちは。風間八宏です。

スタッフからお知らせにもありましたとおり、私はこの後、川崎フロンター
レで指揮を執ることになります。そのため、誠に勝手ながら今号を最後に
風間塾を休刊とさせていただきます。

皆様、長い間ご愛読いただきありがとうございました。
 
「サッカーをいろんな視点で見ること」「自分なりのいろんな視点を読者
の皆さんに伝えたい」。風間塾を作っていく上で、それが自分の中で一番
の理由でしたけれども、皆さんに伝えながら、自分の頭の中もかなり整理
ができました。そして、「いろんな視点」で見ようとすることで、また新
たに見えてくるものが私自身の中でもありました。
 
読者の皆さんからの励ましのメールなど、非常に勇気づけられました。本
当にありがとうございました。
  
これからはフロンターレの選手たちが、グランドで伸び伸び、生き生きと
サッカーをするために、全力を尽くそうと思います。ぜひ応援よろしくお
願いします。
 
最後に、皆さんに伝えたいことがあります。
 
サッカーの世界では、今日の常識が明日の非常識になることがあります。
逆に言えば、今非常識と思えることが、明日の常識になることもあります。

我々も含め、人は常識にとらわれます。しかし、常識とはいったい何でし
ょうか。ふと振り返ってみたときに、常識というのは、意外と未来と結び
つかないものが多いことに気がつきます。
 
たとえば、今のバルセロナを考えてみてください。十数年前、ボールを持
っているだけと揶揄されることもあったバルセロナが、これほど強くなる
と誰が思ったでしょう。世界の最先端のサッカーになると誰が想像できた
でしょう。ですがそれを見据えて、見極めてやってきた人たちがいます。
この人たちはそのときに、「非常識だ」とたくさん言われたと思います。
 
「非常識だ」と他人から言われることは、すごく可能性がある、あるいは、
今までやっていないことをやろうとしている、とも言えるのです。その可
能性を自覚して、勇気を持って進んでいくべきではないかと考えます。
 
今、我々が思うサッカーも、何年か先には非常識になるかもしれません。
常に、非常識でいること。スポーツの世界では、それは最先端を走ってい
ることになるんだと思います。
 
私自身も、常識にとらわれず、非常識と言われる中で生きていきたいと思
います。そしてそれが、みんなの観たいものであると、信じています。誰
でもできる、普通のものでは、プロスポーツは成り立ちません。それはプ
ロの商品ではありません。誰もできない、「それは無理だよ」と言われる
ものを実現することこそが、みんなの心を打つのだと思います。

他人にとっては非常識、だけども私にとっては常識、こういう考え方でや
っていきたいなと思います。
 
きっと、皆さんの中にも非常識が眠っているはずです。自分の考えを信じ
て、自分に期待して、勇気を持つこと。そういった視点でサッカーを見て
いくこと。それがトレンドになる可能性があるのです。

一つの考え、一つの面から見るのではなく、多面的に見ること。それがで
きるのが、サッカーというスポーツの魅力だと思います。

ご愛読ありがとうございました。次はスタジアムでお会いしましょう。

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ブログ監督就任のお知らせ

皆様こんにちは。

このたび、川崎フロンターレで指揮を執ることになりました。
フロンターレの選手たちが、グランドで伸び伸び、生き生きとサッカーをするために、
全力を尽くそうと思います。ぜひ応援よろしくお願いします。

風間八宏

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mailmagazineドルトムントとバイエルンの差

◆チームになっているドルトムントと、なっていないバイエルン

11日に、今季のブンデスリーガの天王山、ドルトムント対バイエルン戦が
行われ、ドルトムントが1─0で勝ちました。これで勝ち点差は6。ドル
トムントはまた一歩連覇へ近づきました。

この試合を見て、以前から感じてはいたのですが、私の中ですごくはっき
りしたことがあります。それは何かと言うと、ドルトムントはチームにな
っていて、バイエルンはチームではない、あるいはチームとして成り立っ
ていないということです。
 
ドルトムントのパスコースを作る選手の早さ、あるいは数。これは、みん
なが適切なポジションを取るから「早く」、お互いがお互いを助け合って
いるから攻撃の「可能性」、その数を増やしています。
 
一方バイエルンは、ロッベンにボールが出る、あるいはリベリーにボール
が出る、そしてそこからドリブルが始まります。パスコースはほとんどあ
りません。ということは、彼らはあれだけのすごい選手ですけれど、結果
的に「ドリブルしか」なくなってしまっています。ドリブルは誰でもでき
ます。一人でできます。ですが、パスをするためにはパスコースを作らな
ければいけませんし、受け手が出てこなければいけません。

この部分で、チームとしての「差」をすごく感じました。「チームになっ
ているか、あるいは個人に頼ってサッカーをしているか」。その差が、ド
ルトムントとバイエルンの間に出たのではないでしょうか。
 
もちろん、この試合でもバイエルンの選手一人ひとりの力量というのはと
んでもないと改めて感じさせられました。ですから、ドルトムントに勝っ
ていてもおかしくはなかったですし、引き分けでもおかしくはなかったで
しょう。
 
しかし、ドルトムントはチームになっていました。香川を中心に、色々な
選手がパスコースに顔を出します。そして、パスコースがあるがゆえに今
度はドリブルも活きてきます。そういうことを、ドルトムントの選手たち
は「うまく」実行しています。これが、やはり「チーム」というものでし
ょう。ドルトムントが強い理由がここにあります。

ただし、先述したように、バイエルンの選手一人ひとりの能力はとんでも
ないものです。この力をどうチームとして結びつけるのか。それによって、
このあとのレアル・マドリー戦も良い勝負ができるのではないかというふ
うに思います。

<メルマガ風間塾より一部抜粋>
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ブログブンデスリーガ、今季のベストゲーム

◆相乗効果で高めあい、お互いに「サッカーをする」

今日は、前節のブンデスリーガ、ドルトムント対シュトゥットガルトの話
をしたいと思います。
 
残念ながら、岡崎はまだ怪我で間に合いませんでしたが、シュトゥットガ
ルトの方は酒井高徳、ドルトムントの方は当然のことながら香川真司が出
場していました。

この試合、ブンデスリーガの中継スタッフ、そして私自身も感じたのです
が、ブンデスリーガにおける今季の「ベストゲーム」ではないかというふ
うに思いました。
 
ブンデスリーガは世界的に見てもレベルの高いリーグではあるのですが、
なかなか「スーパー」な試合にはなりません。年に何回、そのスーパーな
試合が見られるのかという部分、これが逆に言えばこのリーグの面白さで
もあります。
 
これには、条件として、片方のチームのみがいい内容なのではなく、両チ
ームともそれなりのレベルに到達しなければいけません。そして、そのい
い内容の両チームが同じ日に戦わなければならないわけです。
  
相乗効果で自分たちの力も引き出されると同時に、相手の力も引き出すこ
とになり、そしてそれをもっと越えようとする、という連続で、試合がも
のすごく「締まった」内容になり、なおかつスペクタクルで誰も予想がで
きないものになります。やはりこの人たちはプロの選手なんだ、プロのチ
ームなんだという部分にいきつくと思います。この試合はまさにそういっ
た試合でした。
 
シュトゥットガルトも好調なので、この試合はアウェイながら、首位のド
ルトムント相手でも「サッカーをする」姿勢というものを存分に感じさせ
てくれました。それは何かというと、ドルトムントは「相手に対処する」
サッカーをするのではなく、「自分たちがボールを保持して、相手を破り
にいく」サッカーをするチームです。そのドルトムントに、シュトゥット
ガルトは完全に引き下がってその攻撃を阻止するのではなく、相手がサッ
カーをきちんとやってくるがゆえに、自分たちも同じようにきちんとサッ
カーをしようとしました。

それによって、「きちんと」という言葉の基準が変わってきます。この試
合の「きちんと」というのは、それぞれの選手がそれぞれのポジションで
発想を持って相手を「破りにいく」もので、この繋がりによって、逃げて
しまったり、守り一辺倒になったり、攻めだけにとどまっていたりする、
といった選手が「いなくなる」ということです。
 
それぞれの選手が自分の能力を研ぎ澄まし、それを発揮しようとする。互
いに締まっていて、簡単には破れないのですが、そこをなんとかして攻略
していくという試合になりました。
 
◆香川のゴールは必然
 
お互いが、最後の「決定的な場面」で得点が奪えない、あるいはなかなか
「決定的な場面」にまでたどり着けない素晴らしい試合を展開していまし
たが、その状況を変えたのはやはり香川でした。
 
香川の1点目のシーンは、まずギュンドアンが左サイドに展開、左サイド
からのクロスに対し、中央の1対1になりそうなエリアに中盤のケールが
スッと上がってきて、フリーでヘディングを折り返したところに、香川が
身体の向きを変えてシュート体勢を取り、そしてそこにボールが落ちてき
て香川がゴールの上方に蹴り込んだ、というものでした。
 
ドルトムントらしい展開であり、香川はその前の時間帯からずっと、その
ペナルティマーク付近に必ず顔を出していました。シュートが打てるタイ
ミングでは必ずと言っていいほどこのエリアに彼はいて、そしてなおかつ
「フリーで」入ってくるということを続けていました。
  
だからこそ、そこに偶然ではなく必然的にボールが落ちてきました。つま
り彼がゴールを奪うのは当然だということも言えるのかもしれません。こ
れは素晴らしいことです。そしてこの試合の前半は、この香川の挙げた1
点のみで折り返すことになりました。
 
後半に入っても、シュトゥットガルトの方がグッと出てきたかなと思って
いると、ドルトムントの方がうまく2点目を奪ってしまいました。
 
普段であれば、ドルトムントがさらに3点、4点と奪っていくのかなとい
うところでしたが、現在のシュトゥットガルトはすごく好調を維持してお
り、チームもまとまっていて、「降格」という恐さももうありません。
 
そこで彼らのモチベーションはまったく落ちませんでした。2点のリード
を奪ったドルトムントが少しゆっくりしてしまったかなというところはあ
ったかもしれませんが、やはりここにはシュトゥットガルトの前線のタレ
ント、イビセヴィッチの与える影響が少なからずありました。
  
イビセヴィッチが、フンメルスとスポティッチというドルトムントの2人
の強固なセンターバックをうまく外して、うまくボールを受けます。そし
てボールを受けてしまえば、彼は簡単にはボールを奪われない「強さ」を
備えています。それを前半からずっと繰り返しているがゆえに、久しぶり
に「攻撃の選手が強力な守備の選手を心理的に圧迫している」というのを
感じ、「このストライカーは恐いんだ」ということが、2人のセンターバ
ックの様子から見てとれました。
 
普段なら余裕でプレーしているフンメルスが、何度も背中を取られたり、
ミスをして失点をしてしまったりと、こういうことは今まであまり見受け
られませんでしたが、この日はもう完全にイビセヴィッチ1人に、2人の
センターバックが「振り回された」という形だったと思います。
 
サッカーというものは、その場に立ってみないとわからない部分もありま
す。「この選手がどれだけ強力なパワーを発しているか」というのは、そ
の場に立った者にしかわかりません。久しぶりにそういう戦いの空気を感
じました。

<メルマガ風間塾より一部抜粋>
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